
8年前をトレースするため、ビクトリーライナーを利用する必要があるんだけど、4列シートのレギュラーバスなので、やめた。
代わりに3列シートのバスを取り扱うジョイバスの停留所へ。

人気のバスなので、予約しないと厳しい、と書いてあったけど、埋まっている席は10席もなかった。
おかげで無事にチケットを入手。760ペソ。

これに乗る。
まだ出発まで1時間くらいある。

バス停の付近を散歩する。
派手なジプニーがたくさん停まっていた。

バスに乗り込む。
独立した窓側、という最高の席を確保した。
これは快適な旅路になりそうだ。

席には液晶ディスプレイが付いていて、映画や音楽を楽しむことができる。
USBも付いているんだけど、充電はできなかった。

いよいよ、出発。
走り出して30分もすると、都会の景色は完全に消失する。

連日の雨で用水路は溢れて、道路は水浸し。

また雨が降ってきた。
今回の旅行はこれまでにない最悪の天気だな。

6時間くらい休憩なしで走り続ると、上り坂になる。
バギオは高山都市なので、到着は近い。

絶景が望めるはずなんだけど、霧のため、何にも見えない。

ようやくバギオに到着したけど、すごい雨。

バス停には雨宿りするたくさんの人がいる。
待っていると、フィリピン人から話しかけらえる。
「サイトウタカシ」と名乗るその人は、父親が日本人のハーフということだ。
日本で暮らしていたのかどうか聞いたら、ずっとここバギオで両親と一緒に住んでいるらしい。

少し雨が弱くなったところを狙って、徒歩で移動。
どうにか到着したが、結局、かなり濡れてしまった。

近くのレストランで夕食にする。
まずは、スープが出てきた。
くたくたに煮たうどんが入っている。

そして、ステーキにビール。
これだけ頼んで全部で400ペソ、と激安。
物価はやっぱりマニラよりもさらに安いね。

お腹がいっぱいになったことだし、少し歩いてみる。
寒い。
気温は18℃くらいで、薄手の長袖だとかなり冷える。

8年ぶりのSMモール。
ようやく見覚えのある景色に出会ったよ。

あの日、ここで俺はスナック菓子と電気ケトルを買った。
その際、保障を付けますか、と聞かれているのに、warrantyという単語すらも聞き取れずに恥ずかしい思いをした。
今になってみれば、めちゃくちゃ基礎的な単語なんだけどな。

テラスに出てみる。

やっぱり田舎だから明かりの数も少ない。

映画館も入っている。

時間はまだ20時半。
このままホテルに戻っても時間を持て余すので、ミッションインポッシブルの新作を見ることにした。220ペソ。

平日の映画館は空いている。
多分、客は20人もいなかったはずだ。
フィリピンの映画館は字幕すら出ないんだね。
正直、長めの会話は何を言っているか全然、分からなかったよ。
それでもアクション映画なので、十分、楽しめた。

映画が終わると23時半。
コンビニでビールとお菓子を買いホテルに戻った。
バギオ初日はこうして終了。
もしも、8年前に逃げ出さなかったら、この街に半年間も住んだはずなんだ、と思うと不思議な感じがした。
映画もレストランも8年前の思い出になるはずだったのに。
あのときに逃げ出さなかったら、今とは何か違っていたのかな、と考えても答えは出るはずもなかった。
俺のひとり旅
