8年前、俺は半年間も悩み抜き、フィリピンへの留学を決意した。
その理由は、仕事で英文のマニュアルを読むことに事あるごとに苦戦し、もともと中学生の頃から大変な苦手意識を持っていたので、英語学習を挽回することは漠然とした長年の夢だった。
しかし、結果は惨敗。
クルマもバイクも処分し、部屋のコンセントからあらゆる電源ケーブルを外して待機電力の削減を図り、家族に半年間の別れを告げて、意を決して出発した。
しかし、ダメだった。
始めて海外、治安が悪い、と言われてているフィリピン。
そして、圧倒的な英語力という面での準備不足、加えて韓国人との相部屋生活。
あまりの辛さに、俺はわずか1週間で心が折れ、退学を申し出た。
おめおめと日本に帰って前職と同じIT派遣で職を探し、「もう英語は諦めよう。」と心に決めた。
しかし、ITの仕事において、英文を読む、という必要性は変わらず、しらばくして逃走の心の傷が癒える頃、懲りずに今度は独学で英語勉強を再開した。
もともと、ひとりで何かを継続する、ということは得意な方で、今度はうまく勉強の習慣化に成功し、TOEICスコアは2年半で450点から895点まで右肩上がりで上昇した。
TOEICスコアの上昇と共に英語への極端な苦手意識がなくなり、GWなどの長期連休を利用して、東南アジアのあちこちを旅するようになった。
タイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジア、インド、マレーシア、インドネシア、香港、台湾、中国、韓国と東南アジアのほとんど国に訪問し、最後に残った国が因縁のフィリピン。
これまで、悪夢のような逃亡の記憶から旅行先の候補にすらしなかったけど、8年もの歳月が流れ、ようやくもう一度、訪れてみよう、という気持ちになった。
今回のフィリピン旅行は、俺にとってある意味、区切りだと思う。
出発は10日(金)から。
【2018/8/10】初日、マニラへ
家を出発したのは、午前、7時。
丁度、出勤ラッシュと重なるため、電車がすごく混んでいた。
一方、東京駅から成田空港に向かうバス停も人が溢れていたよ。
成田空港も混んでいたが、事前にWebチェックインし、搭乗券も印刷しているので、長蛇の列を素通り。
荷物もハンドキャリーだけだからね。
これから乗るセブパシフィックの飛行機。
これに乗るのも8年ぶりか。
事前にKindleの読み放題で雑誌や漫画をダウンロードしておいたので、割と退屈せずに、マニラに到着。
とりあえず、1万円だけ両替を済ませる。
次はsimカードを買う。
4GBで590ペソ。大体、1200円くらいだよ。
かなり安いので、嬉しい。
空港には、両替所とsimカード屋がたくさんあるんで、並ぶ必要がないところも好印象だ。
外に出ると早速、タクシーの客引きが集まってくる。
8年前の最初のフィリピンでは、かなり動揺したけど、今なら笑顔で追い返せる。
無論、タクシーではなく、バスを使う。
どうやら1時間に1本くらいのペースで出ているようだ。
丁度、出発する直前だった
料金は150ペソ。(300円くらい)
混雑が酷い。
目的地のロビンソンモールまで10kmくらいなんだけど、すでに2時間近く経った。
こりゃあ、バスで正解だな。
タクシーで2時間も使ったら、いくらかかるか分からない。
完全に日も落ちた頃、ようやく到着。
雨も降ってきたし、どうしようかな。
先に飯にして雨宿りすることにした。
ショッピングモール内の食べ放題へ。
400ペソ。(800円)
不味い・・。
油が臭すぎて、絶望的に不味いよ。
スープもしょっぱくて、塩を飲んでいるみたい。
食べ放題なので、色々、試してみたけど、ひとつも口に合うものがなかった。
雨も上がり、ホテルに移動して、チェックイン。
ダブルベッドの広めの部屋。
バスタブも付いている。
海外のホテルでバスタブ付きは始めてだな。
もっと安い宿はいくらでもあるんだけど、これからは狭くて、共用バスのホテルは使わないことに決めた。
少し休んで、ベイカフェに向かう。
ここでは、2階で生バンドの演奏を聴いたり、1階でフリーの売春婦のお姉さんと戯れたりできる。
お姉さんと遊ぶ場合は3000ペソ(6000円)だった。
心配していた治安だけど、全く問題なさそう。
22時頃だったけど、人も多いし、一眼レフカメラをぶら下げていても、全く問題なし。
8年前はめちゃくちゃビビッていて、ホテルから出られなかったけど、一体、なんであんなに怖がっていたのか今になってみれば、自分で不思議に思う。