九州ひとり旅(長崎と熊本)

10月の3連休。
エアアジアのプロモで片道5円の航空券を手に入れた。
どうせ貧乏旅行なら、とことん貧乏を貫こうと思いホテルすら取らなったよ。

初LCCどころか、飛行機すら10代の頃以来。
この旅をキッカケにして旅の範囲が広がっていったんだよね。
MEMO
旅行日:2012年10月25日~27日

【初日】早朝便で福岡空港に向かう


23時半に家を出て成田空港の近くの酒々井パーキングエリアに到着したのは、明けて2時頃。
7時発の飛行機に乗るので、この後、クルマを預けて搭乗手続きをする時間も含めると5時頃にパーキングエリアを出発すれば間に合う。
少しは眠れるか・・・。


3時間ほどの仮眠を取り、成田空港に到着した。
外は少しずつ明るくなってきた。


時間は5時38分。
普段なら寝ている時間だ。


行きはエアアジアを使う。
チケットは就航記念の5円セールで買ったので、タダみたいなものだ。


出発時刻になるまで、ロビーで待つ。
この段階になってようやく、旅行雑誌を開き、今日、巡るルートを考える。
なにしろ突然、行くことを決めたのだから、ほぼノープランなんだよ。


LCCの飛行機は小さい。


席は狭いよ。
でも、90分くらいなので、我慢できると思う。


福岡空港までは日本列島の上を通るんだな。
眼下に山々や都市が見える。
日本って本当に山が多いんだな。
都市部よりも山の方が圧倒的に多いもの。


福岡の上空。
もうすぐ、到着だ。


福岡空港に到着したのは9時頃。
レンタカー会社に電話して、迎えに来てもらう。


10万キロ以上走っている、過走行車プランにした。
一日あたり3500円くらい。
走れば何でもいいんだよ。
今回の旅の相棒はホンダのフィットだった。


長崎の平戸島を目指す。


3時間しか寝ていないからキツイ。
路肩にクルマを停めて、休憩する。
今夜の宿はどうしようかな、とようやく考え始める。
全くのノープランなのだ。


日本最西端のたびら平戸口駅に到着。


風情のある駅だった。


こういう田舎を電車で旅をするのもいいかもな、と思う。


平戸島に続く、平戸大橋を眺める。
でも、すぐには渡らない。


うっかり通り過ぎてしまった、田平天主堂に戻る。


長崎はキリスト教、伝来の地なので、たくさんの教会がある。
俺はキリスト教徒ではないが、建物は好きなんだよね。


キリスト教でも手を合わせるの、と思った。
日本の文化に合わせたのだろうか。


内装はとても洒落た作りになっている。


ステンドグラスもすばらしい。


平戸大橋を渡って、平戸島へ向かう。


聖フランシスコ・ザビエル記念教会に到着。


教会と寺院。
平戸を代表する光景なんだってさ。


中は明るく、古い感じはしない。


ザビエルの像があった。
言葉も通じない国でどうやって布教活動をやったんだろうね。


宝亀教会に到着。
農村に佇む小さな教会で、ここまでの道路は狭い。


こじんまりした可愛らしい感じの教会。


内部は薄暗くてひっそりしている。


窓から差し込む光が幻想的だ。


教会からは海が見える。


差教会へ。
平戸市のカトリックの半数以上が所属する教会なんだってさ。


途中、ホームセンターのよって、一番、安い枕とかけ布団を買った。
フィットは荷台がフラットになるので、斜めになればどうにか眠れそう。


日も暮れてきた頃に塩俵の断崖に到着。


縦に不思議な浸食のされ方をしている。


大バエ灯台に到着。


ここから見る夕日は絶景だった。


少しずつ日が落ちていくのを、ただ眺める。


太陽に別れを告げて、今日の旅は終わり。
明日は長崎市街地に行こうと思う。

【2日目】長崎の市街地観光、遠くに見える軍艦島への憧れ


昨夜はあまりにも疲れていたので、21時頃に道の駅にクルマを停めた瞬間に眠りに落ちた。
おかげで、まだ暗いうちに目が覚める。


石岳展望台に到着する頃にようやく明るくなってきた。
九十九島の景色は映画ラストサムライにも使われたらしいよ。


別の場所から九十九島を楽しもうと思い、展海峰に移動。


そこには一面のコスモスが咲いていた。


鹿もいた。


餌の人参が売っている。


せっかくだから鹿と戯れた。


鹿と遊ぶのにも飽きたので、展望台に移動する。


雨が降ってきた。
はじめは小雨だったんだけど、強くなってきたので、退散することにした。


高速に乗り、長崎市街地に向かう。
雨が本格的に強くなってきた。


国宝、大浦天主堂に向かう。
平日、かつ雨だというのに観光客が多い。


300円の見学料を払う。
豊臣秀吉の命令で処刑された26人のカトリックに捧げられた日本最古の教会だそうだ。


26人の中には12歳の少年もいたんだって。
信仰を捨てれば、助けてあげると言われたけど、それを拒んで処刑されることを選んだって書いてあった。


少年は4000人もの衆目の中、両脇を槍で突き刺し処刑された。
宗教は怖いね。
人を死に向かわせることだってできるんだからさ。


そばのグラバー邸に向かう。
これは、裁判所らしい。
西洋風の建物なのに、屋根は瓦だ。
和洋折衷って言うのかな、面白いね。


三菱第2ドックハウス。
船の修理中に乗組員たちが宿泊した施設。


2階のベランダからは長崎港が見える。
長崎は坂が多いため、見晴らしがよく、本当にどこにいても海が見える。
美しい町だよ。


グラバー邸に到着。


グラバーって武器商人だよね。
いままで刀だったのに、それから拳銃だもんな。
そりゃ、売れるだろうな、立派な家も立つよ。


市街地をブラブラする。


路面電車が走っている。


亀山社中に向かう。
山の上にある。
クルマも通れない狭い路地の中だ。


15分くらい坂を登り到着。


坂本竜馬の作った会社で、グラバーから仕入れた武器を長州藩に売っていた。
まぁ、兵器のブローカーだよね。


黒船到来とか倒幕とか凄い時代だよな。


路面電車が怖い。
右折するときに後ろを気をつけないと、路面電車が迫ってきている可能性がある。
それと、線路側に寄りすぎると、路面電車からクラクションを鳴らされるよ。


浦上天主堂に到着。
浦上地区はカトリックの割合が日本で一番多い町なんだって。


原爆で吹き飛ばされたから、その後に建て直されたものらしい。
オリジナルはカトリックが30年の歳月をかけて作ったと書いてあった。


7000人のカトリックが原爆で亡くなったそうだ。
しかし、毎日お祈りを欠かさず、30年もかかって天主堂まで建てたのに、原爆は落ちるし、天主堂は吹っ飛ぶし、で散々だよな。


これなんだっけな。
時間があまったので、寄り道したんだけど、名前すら忘れた。


日も暮れてきたので、野母岬に向かい夕日を眺める。


遠くには軍艦島が見える。
昔、2chで軍艦島上陸オフというのがあったんだよ。
参加しておけば良かったな。
今は観光地化して、決められたルート以外は探索できないようになっている。


沈む夕日を眺める。


近くの温泉に行く。
塩素臭い循環湯だった。


熊本県に移動する。
途中のサービスエリアで休憩。


佐世保バーガーを食べる。
うまいよ。
明日は阿蘇山に行く。

【3日目】阿蘇山へ、そして旅の終わり


夜のうちに北熊本サービスエリアに移動する。
することがないので、すぐに寝てしまい、今朝は5時頃に起床した。


今日の天気予報は雨になっていた。
でも、降りそうにはない。


まずは阿蘇神社に参拝する。
夏目漱石の二百十日で圭さんと碌さんが、阿蘇山に登る前に参拝する描写があったので、マネしてみたよ。


厳粛な雰囲気。
財布の中の邪魔な1円や5円を全て賽銭箱に放り投げる。
天気が崩れないようにお願いしといた。


雨が降り出す前に急ごう。


途中の草千里で休憩。
放牧されている牛が草を食べてしまうので、この辺一帯は草が伸びないそうだ。


通行料金600円を支払い中岳火口に向かう。
ここにきてさっきの青空が嘘のように霧に巻かれてしまった。


中岳火口は活火山なので、万が一噴火したときに避難するための防空壕がたくさんある。


風が冷たい。
山は寒いよ。
あまりの寒さに防空壕に避難する。


「雄大だろう、君」と二百十日のセリフを呟いてみる。
誰も答えたない、途端にさみしくなる。
俺には旅の相棒はいなかった。


しかし、小説では火山灰を含んだ大雨の中、ドロドロになって登るんだよな。
今はクルマで簡単に来られるんだから、楽になったものだ。


ロープウェイでも来れるみたいだね。


体が冷えてきたので、退散。
途中で牛を眺める。


微塵も動かない。
立ったまま寝ているようだ。


天気が崩れそうなので、先に阿蘇山に行ったが、本当はここに先に来る予定だった。
ここは小説で圭さんと碌さんが阿蘇山に登る前に宿泊した、山王閣ホテルだ。


二百十日、寄稿の宿と書かれているので、間違いない。


日帰り温泉に入る。
塩素臭のないかけながし温泉。
1時間くらい温泉でまったりした後、庭から漱石が泊まった部屋に向かう。


中庭には、銅像があった。


この離れが、夏目漱石が泊まった宿なんだな。


ビール瓶がふたつ。
小説ではこの部屋で寝ころびながら、阿蘇山がごうごうと唸る音を聞いている。


ごうごう、と阿蘇残の唸りが聞こえてきそうだ。
空はいまにも降り出しそうにうす暗くなってきている。


大観峰に到着。
展望台まで歩く。
小雨がぱらついている。


到着。


阿蘇の巨大なカルデラだ。
その大きさは世界でも有数の規模らしい。
次第に風は強くなり、雨も本降りになってきた。


少し早いが、福岡空港を目指す。
雨も降っているし、もしも渋滞に巻き込まれたら飛行機に間に合わないかもしれない。
途中のサービスエリアで休憩。


だご汁を食べる。
中に米のお団子が入っている。
体が温まる。


3日間の旅行はあっという間だった。
結局、長崎と阿蘇しかいけなかったね。


夕方5時頃に福岡空港に到着。
レンタカーを返却する。


帰りの飛行の窓から福岡に別れを告げる。
九州はまだまだ全然、攻略できていない。
また、来るぞ、と心に決めて短い眠りにつく。